令和7年 9月 7日

伝統文化と環境福祉の専門学校生徒が来訪

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令和七年九月一日(月)、佐渡島にある伝統文化と環境福祉の専門学校・伝統建築大工学科 井土英樹先生をはじめ、生徒たち約六十五名が當神社を訪問された。同学科は、宮大工としての技能を習得し、先人が残された伝統建築を継承するために、佐渡島内にある実際の神社仏閣にて実習を行ふなど、伝統文化を担ふ若者の育成に力を入れてゐる。

 此度の訪問も、二泊三日の行程で富山・石川の社寺建築を学ぶ研修旅行の中で、當神社の社殿を手掛けた森田建設株式会社様(会長 森田市五郎様)の御案内により、平成四年に建てられた大拜殿を中心に見学いただいた。

 宮司が奉職した當時、例大祭にてご遺族の方々が、雨の降る中、砂利の上に茣蓙を敷いて参列してゐる姿を見て、たくさんの御遺族が参列できる大きな屋根のある拜殿が必要と思ひ、森田建設様をはじめ多くの方々のご協力のもと、平成四年の御創立八十周年記念事業として完遂したことを話した。さらに、平成七年の阪神・淡路大震災により、同じ様な構造の木造平屋建の建物が倒壊したことにより、すぐに耐震工事を進めることを決意。平成二十七年大東亜戰爭終戰七十周年記念事業として工事に着手、平成二十九年に完遂した圧縮木材を活用した面格子壁による耐震化工事についても説明した。

 この耐震化工事は、

一、人が集ふ場所の安全を第一に考へる

一、      一、伝統建築の美しさと開放感を損なはない

一、     一、 木造伝統工法を活かし現代技術につなげる

といふ理念のもと、()三四五建築研究所 清水人美氏をはじめ富山県農林水産技術センター木材研究所 藤澤泰士氏、椙山女学園大学 清水秀丸教授の共同研究により行はれた。

 令和六年一月一日、多くの参拝者が大拜殿で列をなしてゐる最中に発災した能登半島地震では、被害は一本の柱が数センチずれた程度にとどまった。

 生徒たちは、外観は木造の伝統的手法であるが、実は高度な構造特性をもつ圧縮木材を使用した面格子を興味津々な様子で見入ってゐた。その後は御本殿をめぐる御鎭座百拾周年記念事業で完成した瑞垣竝瑞垣御門を見学し、一行は神社を後にした。

當神社の見学をとほして、地震が頻発する昨今、少しでも木造の伝統工法を活かした耐震化工事が広がり、殊に宮大工を志す若い生徒たちの育成の一助となれば幸ひである。

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