小泉利雄 命

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昭和二十年八月十三日
中華民国三江省にて戦死
西砺波郡砺中町西島出身

 【小泉正雄様宛葉書】(満洲より)
 正雄元気の由、何よりです。父よりの便りで住所知つた。桜花の咲く頃だね。家には両親始め皆元気ださうだ。利夫(ママ)も元気で軍務に邁進して居ります。兄も(庄一)今頃時遅しと時□時期到来を待つて居る事でせう。家の事や南方の兄の事など何も心配するな。ご両親様も皆元気、国家の為働いて居られるから正男(ママ)も何も心配せず己の任務に邁進せよ。利夫(ママ)も元気でやるから。御健康祈る。
 
 
 
 【小泉庄造様・雪子様宛葉書】(満洲より)
 お便り有難度う。雪子は毎日元気で芳子と共に仲良く国民学校に通つて居る様ですね。兄さんも一安心です。今年は雪が少ないので学校へ行くのに楽しいだらう。スキーに乗る事が出来ぬのが残念だと書いて有つた。兄さんは一生懸命にお国の為に頑張つて居るよ。南方の兄さんからお便り有つたさうだね。南方の兄さんは何時も敵の飛行機の爆撃の中で活躍されて居ると想へば、満洲の寒さは何んでも無いよ。雪子も南方の兄さんに負けない様な強い子供に成つて、お父さんやお母さんを喜ばせて上げなさい。兄さんも南方の兄さんに負けぬ様に頑張りますから雪子も一生懸命に勉強して下さい。
         左様なら。
 
 
 
 【小泉庄造様宛葉書】(満洲より)
農家もぼつ〱多忙となる時季と相成りました。本日お便り拝見致し、兄庄一儀南方戦線に於いて戦死致したとの公報が有つた事知りました。一人の兄を失つた事は淋しくは感じますが、今は亡き兄も護国の華と散つた事は生前の兄の本望だつたでせう。兄の働きをしのびつゝ利雄も兄に負けず皇国の為に働きます。利雄は益々元気です。御安心下さい。
御両親様御身体を大切にして下さい。(兄庄一のシヤ真送り下さい)



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